SCMが目的で、サプライチェーンパッケージはtool
toolは使い方を間違えると真価を発揮しない。
SCMは顧客の求める価値を見つめなおし、その価値を増大するように企業経営を変革する、いわば企業戦略だ。さらに、SCMでは企業が商品を開発・製造し、お客様に供給するまでの全体プロセスに着目する。顧客の求める価値を提供するための最適なビジネスプロセスこそ重要である。
サプライチェーンパッケージを導入すればSCMが実現出来るとの誤解は、ERPを導入するとBPRが出来るというものと同じ類のものである。
SCMは経営革新の戦略であり、サプライチェーンパッケージはそれを実現するためのtoolにすぎない。企業戦略は経営の意思の問題であり、サプライチェーンパッケージというtoolを導入すれば経営革新が出来るものではない。
サプライチェーンプロセスを整流化するために、企業を超えて情報システムを繋ぐ事が現実的に可能かとの疑問を抱く人もいるが、現実に、トヨタのカンバン方式では、企業を超えてカンバンという道具でサプライチェーンプロセスの最適化を図っている。
同様にSCMで企業を超えてサプライチェーンプロセスの最適化を図ることを、先進的な企業では、既に、実現している。